凸レンズの作図(実像・虚像と焦点距離)
中1理科の凸レンズの作図を、方眼の上で光線3本と像まで確かめられます。
焦点距離の逆算、作図プリント、練習問題で問題の解き方も練習できます。
凸レンズでできる像を作図する
ボタンを押すと、物体を焦点距離の 2.5倍・2倍・1.5倍・1倍・0.5倍の位置に置きます。図の青い点(物体の先)と赤い点(焦点)は、指やマウスで動かせます。点を選んで矢印キーでも動かせます(Shift を押しながらだと 0.1 マスずつ)。
- 物体
- 像(実像は実線・虚像は破線)
- ① 軸に平行な光
- ② 中心を通る光
- ③ 焦点を通る光
- 物体側へのばした線
- ほかの光(半分を隠したとき)
- F 焦点・2F 焦点距離の2倍の位置
できる像
- 物体の位置
- ア 焦点距離の2倍よりも遠い位置(凸レンズから 30 cm・焦点距離の 3 倍)
- 像
- 実像(光が実際に集まってできる像)
- スクリーン
- うつる
- 像の位置
- 凸レンズから 15 cm(物体と反対側)
- 像の向き
- 上下左右が逆
- 像の大きさ
- 1.5 cm(物体の 0.5 倍・物体より小さい)
作図の手順
- 凸レンズの軸(光軸)と、凸レンズの中心を通る中心線、両側の焦点(F)と焦点距離の2倍の位置(2F)、物体の矢印をかきます。
- ① 物体の先から、軸に平行な光をかきます。中心線のところで曲げて、反対側の焦点を通るように進めます。
- ② 物体の先から、凸レンズの中心を通る光を、まっすぐかきます。
- ③ 物体の先から、手前の焦点を通る光をかきます。中心線のところで曲げて、軸に平行に進めます。
- ①②③の光が交わる点が、像の先です。そこから軸まで矢印をかくと実像になります(上下左右が逆)。
焦点距離を求める(逆算)
長さの入れ方と方眼の1マスは、上の作図と同じです。
- 焦点距離
- 20 cm
求め方
- 同じ大きさの実像ができるとき、凸レンズと物体の距離と、凸レンズとスクリーンの距離は等しく、どちらも 40 cm です。
- 物体と同じ大きさの実像ができるのは、物体が焦点距離の2倍の位置にあるときです。
- だから、焦点距離 = 40 ÷ 2 = 20 cm です。
作図プリント(A4・問題用と解答用)
方眼つきの作図の問題を4問、A4 の1枚に印刷します(1マス 5mm)。問題用には物体・凸レンズ・焦点(F)・焦点距離の2倍の位置(2F)だけを、解答用には光線と像と答えを印刷します。プリント番号が同じなら同じ問題です。
- (1) エ 焦点の位置
- (2) オ 焦点よりも内側(凸レンズと焦点の間)
- (3) イ 焦点距離の2倍の位置
- (4) ウ 焦点距離の2倍の位置と焦点の間
練習問題
焦点距離が 12 cm の凸レンズから 24 cm 離れた位置に物体を置きました。できる像の種類・大きさ・向きを答えなさい。
解き方を見る
- 物体は凸レンズから 24 cm、焦点距離は 12 cm なので、物体の位置は焦点距離の 2 倍です。これは「焦点距離の2倍の位置」にあたります。
- 焦点より外側なので実像ができます(スクリーンにうつり、上下左右が逆)。焦点距離の2倍の位置なので、物体と同じ大きさ。
- 答え:実像・物体と同じ大きさ・上下左右が逆
像ができないときは、大きさと向きは選ばなくてかまいません。数の答えは「約」や「cm」を付けても付けなくても同じです。
概要
中学1年の理科(光の単元)で学ぶ凸レンズの作図を、方眼の上で確かめられるツールです。焦点距離と、凸レンズと物体の距離・物体の高さを cm か方眼のマスで入れると、軸に平行な光・中心を通る光・焦点を通る光の3本を、教科書と同じように凸レンズの中心線で1回だけ曲げてかき、できる像が実像か虚像か、像の位置・大きさ・向きを答えます。
物体は、ボタンで「焦点距離の2倍よりも遠い位置」「2倍の位置」「2倍の位置と焦点の間」「焦点の位置」「焦点よりも内側」の5つに置けます。図の点を指やマウスで動かすと、物体の位置で像がどう変わるかがその場で分かります。作図の手順を1つずつ表示したり、凸レンズの半分を隠したときの光の進み方を見たりもできます。
同じ大きさの像ができたときや、物体と像の位置から焦点距離を求める逆算、A4 の作図プリント(問題用・解答用)、答え合わせつきの練習問題も使えます。入れた数字はこのページの中だけで計算し、保存も送信もしません。登録は要りません。
使い方
焦点距離と物体の位置を入れる
焦点距離・凸レンズと物体の距離・物体の高さを入れます。問題の図が方眼なら「方眼のマスで入れる」を選び、1マスの長さを合わせます。ボタンで、物体を焦点距離の2倍の位置などに置くこともできます。
光線と像を確かめる
図に光線①②③と像がかかれます。「次の手順」を押すと1本ずつ表示されるので、作図の順番が分かります。図の点を動かして、物体の位置と像の関係も見てみましょう。
答えと手順を見る
「できる像」に、像の種類・スクリーンにうつるか・像の位置・向き・大きさが出ます。焦点距離を求める問題は「焦点距離を求める」で、練習には作図プリントや練習問題を使います。
作図の決まりと早見表
凸レンズの作図では、物体の先から出る光のうち、進み方が決まっている次の3本をかきます。
- ① 凸レンズの軸(光軸)に平行に進む光は、凸レンズを通った後、反対側の焦点を通ります。
- ② 凸レンズの中心を通る光は、そのまままっすぐ進みます。
- ③ 物体側の焦点を通る光は、凸レンズを通った後、軸に平行に進みます。
光は、本当は凸レンズに入るときと出るときの2回曲がりますが、作図では凸レンズの中心線のところで1回だけ曲げてかきます。3本のうち2本をかけば、交わる点が像の先です。実像は実線の矢印で、虚像と、光を物体側へのばした線は破線でかきます。
物体の位置と、できる像の関係です(例は焦点距離 10 cm・物体の高さ 3 cm のときで、このページの計算と同じ値です)。
| 物体の位置 | 例 | 像 | スクリーン | 大きさと向き |
|---|---|---|---|---|
| ア 焦点距離の2倍よりも遠い位置 | 凸レンズから 30 cm → 反対側 15 cm に高さ 1.5 cm | 実像 | うつる | 物体より小さい・上下左右が逆 |
| イ 焦点距離の2倍の位置 | 20 cm → 反対側 20 cm に高さ 3 cm | 実像 | うつる | 物体と同じ大きさ・上下左右が逆 |
| ウ 焦点距離の2倍の位置と焦点の間 | 15 cm → 反対側 30 cm に高さ 6 cm | 実像 | うつる | 物体より大きい・上下左右が逆 |
| エ 焦点の位置 | 10 cm → 像はできない | できない | うつらない | — |
| オ 焦点よりも内側(凸レンズと焦点の間) | 5 cm → 同じ側 10 cm に高さ 6 cm(凸レンズをのぞくと見える) | 虚像 | うつらない | 物体より大きい・物体と同じ向き |
物体を焦点に近づけるほど、実像は大きくなり、像ができる位置(スクリーンを置く位置)は凸レンズから遠くなります。焦点の位置では光が平行に進むので、スクリーンをどこに置いても像はうつりません。
焦点距離の求め方
物体と同じ大きさの実像ができたとき:同じ大きさの実像ができるのは、物体が焦点距離の2倍の位置にあるときで、像も反対側の焦点距離の2倍の位置にできます。だから、凸レンズと物体の距離(=凸レンズとスクリーンの距離)を2でわると焦点距離です。たとえば、凸レンズから 40 cm の物体と同じ大きさの像が、反対側 40 cm のスクリーンにうつったら、焦点距離は 40 ÷ 2 = 20 cm です。
物体とスクリーンの距離がわかっているとき:同じ大きさの像ができるとき、凸レンズは物体とスクリーンのちょうど真ん中にあります。物体とスクリーンの距離が 40 cm なら、凸レンズと物体の距離は 20 cm で、焦点距離は 20 ÷ 2 = 10 cm(物体とスクリーンの距離 ÷ 4)です。
物体と実像の位置からわかるとき:物体の先から軸に平行な線を凸レンズの中心線までかき、そこから像の先へ線をのばします。軸に平行な光は焦点を通るので、この線が軸と交わる点が焦点です。方眼のマスを数えると焦点距離がわかります。たとえば、凸レンズから 30 cm の物体の像が反対側 15 cm にできたら、焦点距離は 10 cm です。
発展:作図からわかるレンズの式(高校の物理)
凸レンズと物体の距離を a、凸レンズと実像の距離を b、焦点距離を f とすると、作図の三角形の相似から 1/a + 1/b = 1/f の関係が得られます。像の大きさは物体の b ÷ a 倍です。上の例では 1/30 + 1/15 = 3/30 = 1/10 なので、焦点距離は 10 cm、像の大きさは物体の 0.5 倍です。
中学校では、物体の位置と像の関係を実験と作図で調べ、この式は使いません。このツールは、作図と同じ結果になるこの関係で、像の位置と大きさを計算しています。
用語集
- 凸レンズ
- 中央がふくらみ、まわりがうすいレンズ。虫めがねのレンズです。
- 凸レンズの軸(光軸)
- 凸レンズの中心を通り、レンズの面に垂直な直線。作図では横に引く線です。
- 焦点
- 凸レンズの軸に平行な光が、凸レンズを通った後に集まる点。凸レンズの両側にあります(図の F)。
- 焦点距離
- 凸レンズの中心から焦点までの距離。
- 焦点距離の2倍の位置
- 凸レンズの中心から、焦点距離の2倍だけ離れた点(図の 2F)。ここに物体を置くと、同じ大きさの実像ができます。
- 屈折
- 光が、空気からガラスなど、ちがう物質に進むときに折れ曲がること。凸レンズは屈折で光を集めます。
- 中心線
- 作図で光を曲げる、凸レンズの中心を通る縦の線(図の破線)。
- 像
- 凸レンズを通った光によってできる、物体の姿。
- 実像
- 物体からの光が実際に集まってできる像。スクリーンにうつり、上下左右が逆になります。
- 虚像
- 凸レンズを通して見える像。光が集まってできるのではないので、スクリーンにはうつりません。物体と同じ向きで、物体より大きく見えます。
よくある質問
- Q. 光線は何本かけばよいですか?
- 像の先は、3本のうち2本が交わる点で決まります。ふつうは①軸に平行な光と②中心を通る光をかき、③焦点を通る光で確かめます。物体が焦点の内側にあるときは、①と②を物体側へ破線でのばして、交わる点を探します。
- Q. 光はどこで曲げてかけばよいですか?
- 凸レンズの中心を通る縦の線(中心線)のところで、1回だけ曲げてかきます。本当は凸レンズに入るときと出るときの2回曲がりますが、作図ではまとめて1回にします。
- Q. 虚像はどうやって作図しますか?
- ①と②は、凸レンズを通った後に広がって進むので交わりません。①と②を物体側へ破線でのばすと交わる点があり、そこが虚像の先です。虚像の矢印も破線でかきます。
- Q. 物体を焦点に置くと、なぜ像ができないのですか?
- 焦点の位置から出た光は、凸レンズを通った後に平行に進むので、どこまで進んでも集まりません。そのため実像も虚像もできず、スクリーンをどこに置いても像はうつりません。
- Q. 実像が上下だけでなく左右も逆になるのはなぜですか?
- 物体の上の点からの光は凸レンズを通って下に集まり、右の点からの光は左に集まるからです。光源とスクリーンの両方が見える位置から比べると、上下も左右も逆になっていることが分かります。
- Q. 凸レンズの半分を紙で隠すと、像はどうなりますか?
- 像は欠けずに、同じ位置に同じ大きさ・形でできます。隠していない半分を通った光も像の先に集まるからです。ただし、凸レンズを通る光の量が減るので、像は暗くなります。「凸レンズの半分を隠す」を選ぶと、光の進み方を図で確かめられます。
- Q. 焦点距離はどうやって求めますか?
- 物体と同じ大きさの実像ができたときは、凸レンズと物体の距離を2でわります(物体とスクリーンの距離なら4でわります)。物体と像の位置がわかるときは、物体の先から軸に平行な線をかき、中心線から像の先へ引いた線が軸と交わる点が焦点です。「焦点距離を求める」で手順と図を確かめられます。
- Q. 問題の図が方眼のときは、どう入れますか?
- 「方眼のマスで入れる」を選び、「方眼の1マス」を問題に合わせると、焦点距離などをマスの数で入れられます。答えにも cm とマスの両方が出ます。
- Q. レンズの式(1/a + 1/b = 1/f)は使いますか?
- 中学校では、物体の位置と像の関係を実験と作図で調べ、式は使いません。式は高校の物理で学ぶ発展の内容で、「焦点距離の求め方」の折りたたみに例を載せています。このツールの答えは、作図と同じ結果になるこの関係で計算しています。
- Q. 凸レンズで太陽や電球を見てもよいですか?
- いけません。目をいためるおそれがあるので、凸レンズを通して太陽や光源を直接見てはいけません。実験では、スクリーンに像をうつして観察します。
- Q. 中学何年生の、どの単元で習いますか?
- 中学1年の理科の、身近な物理現象(光と音)の単元で習います。東京書籍の令和7年度版の年間指導計画では10月の終わりから11月の初め、啓林館の年間指導計画案では10月の終わりから始まる範囲に入っています。
- Q. 入れた数字は保存されますか?
- いいえ。入れた数字は、このページの中だけで計算に使い、保存も送信もしません。ページを開き直すと、初めの値に戻ります。
活用シーン
宿題・テストの作図の確かめ
問題の焦点距離と物体の位置を入れて、自分の作図や答えが合っているか確かめられます。
物体を動かして考え方をつかむ
物体を焦点に近づけたり遠ざけたりして、像の大きさや位置の変わり方を見られます。
授業や家庭学習のプリント
方眼つきの作図の問題を、問題用と解答用で何枚でも印刷できます。
焦点距離の問題の練習
同じ大きさの像や、物体と像の位置から焦点距離を求める手順を確かめられます。
出典と確認日
作図の決まり・物体の位置の区分・学ぶ時期・半分を隠したときの像・レンズの式は、次の資料で確かめました(確認日 2026-11-05)。資料の文や図は転載していません。図・プリント・練習問題はこのサイトで作ったものです。
- 学校図書『中学校科学1』令和7年度版 Web 版 p.114(凸レンズを通る光の進み方) https://r7-kagaku.gakuto-plus.jp/1-3/1-2/1p114/
- 学校図書『中学校科学1』令和7年度版 Web 版 p.116〜119(凸レンズによる像) https://r7-kagaku.gakuto-plus.jp/1-3/1-1/1p119/
- 大日本図書「学習のまとめWEBテスト 1年 単元3」問6〜9(2025) https://cc.dainippon-tosho.co.jp/js/2025/contents/cbt1_a3/index_8.html
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_005.pdf
- 東京書籍「令和7年度版『新編 新しい科学』年間指導計画 第1学年」 https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/chu/rika/download/documents/R7rika_rough_plan1.pdf
- 啓林館「未来へひろがるサイエンス」年間指導計画案 https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/chu_r7/science/file/science_guidance_plan.xlsx
- 大阪府教育庁「中学1年理科・第1分野 確認プリント 光と音②」解答 https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/25639/rika_hikari_kakunin_kai_02_1.docx
- University of Colorado Boulder, Physics Undergraduate Labs「Convex Lens」 https://physicslabs.colorado.edu/demos/optics/geometrical-optics/thin-lens/convex-lens/
- 加藤欣也「レンズ光学の基礎2:光学系の結像」視覚の科学 36(2)(2015) https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205511976064
- 福井大学「令和5年度一般選抜 正解・解答例等(出題の意図を含む)理科(物理基礎・物理)」 https://www.u-fukui.ac.jp/admission/admission_data/past_exams/kai9_R5_zen_butsuri_kogaku.pdf
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